エビデンス2

日本心身医学会 会期2015年6月26日(金)27日(土) 美容歯学普及協会 田邉美樹子副会長 発表

01-E13 口腔領域からの心身医療への介入検証『デンタルリフレクソロジーを用いた不定愁訴およびストレスの変化』

〇田邉美樹子
医療法人豊生会山田歯科
Care of climacteric complaints and mental and body stress by Dental Reflexology
〇Mikiko Tanabe
Yamada Dental Clinic

【目的】 大脳皮質運動野および主感覚野の口腔感覚領域の広さは周知の事実である。故に、不定愁訴としての口腔感覚以上を訴え歯科治療に訪れる患者も少なくない。そこで我々は歯科医院で行える反射区療法として開発された『デンタルリフレクソロジー』を用いて、様々な不定愁訴およびストレスに対しての検証を行うことにした。

【方法】 対象は不定愁やストレスを抱える傾向の強い40代以上の女性とした。不定愁訴の検証は被験者への問診で主観的評価を行った。問診は簡易更年期指数(SMI)に視力と肌質の2項目を
加え計12項目とし施術前と施術後24-48時間の2回行った。またストレスについては、唾液より検出可能なストレスマーカー(唾液アミラーゼ活性・唾液コルチゾール濃度)にて客観的評価とした。

【結果】 全項目の評価にはWilcoxonの符号付順位検定を用いた。主観的評価の問診については、SMI総スコアも含めた11項目で有意差が見られ、また有意差がなかった2項目も含めてすべての項
目で改善傾向がみられた。客観的評価としての唾液ストレスマーカーは、共に施術後に有意差をもって減少した。

【結論】 リフレクソロジー理論を基に全身の美容健康法として開発されたデンタルリフレクソロジーであるが、今回の検証により不定愁訴やストレスに対してもその改善が示唆された。この結果は、歯科における
代替医療としてデンタルリフレクソロジーの利用を期待するものである。

精神面における効果においては非常に高いリラクゼーション効果を有する事が特徴となります。
そのエビデンスを次に示しています。ストレス値についての、客観的実験結果です。
デンタルリフレクソロジー(ベーシック)の施術直前と施術直後、各々の唾液中ストレスマーカーの量を計測したものです。

一つ目は、sympathetic-adrenal-medullary(SAM)系のストレスマーカーであるアミラーゼです。
唾液アミラーゼは、口腔内でデンプンやグリコーゲンを消化する酵素です。不快な刺激で活性が上昇し、快適な刺激で低下します。

唾液アミラーゼ活性グラフ

デンタルリフレクソロジーの施術を行うと、明らかにストレス値が減少する事が確かめられました。
二つ目は、Hypothalamic-pituitary-adrenal(HPA)系のストレスマーカーであるコルチゾールで
す。これは、もともと人が原野などで、動物に襲われるなど、身の危険が迫った緊急事態にでるように作られたホルモンです。ストレスにより、コルチゾール濃度は、上昇します。

唾液コルチゾールグラフ

デンタルリフレクソロジーの施術後に、明らかに、ストレス値が減少しています。これらの結果から、ご本人がストレスを主観的に感じているかの有無に関わらず、デンタルリフレクソロジーの施術によってストレス反応
が軽減される事が、客観的データとしても示されました。身体的変化において、一番多く頂く感想は、「体がポカポカと暖かくなった」というご意見です。
サーモグラフィーで、これについて、検証した結果が下図です

顔のBefore After

腕のBefore After

足のBefore After

施術した口腔局所だけでなく、手足等の末梢まで、体温の上昇がみられました。自律神経が調整され、全身的に血行が改善された事によると、考えられます。

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